マイ・シップ・クラブ

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☆ HMスクーナー ピクル を作る !! ☆ 


「HMスクーナー ピクル」とは?
1805年10月のトラファルガー海戦においてイギリスの歴史的な海戦の勝利とネルソン提督の最期を祖国にいち早く知らせた船がこのスクーナー船ピクルです。海戦中、ピクルは直接戦闘に従事することはありませんでしたが、その間中、海上に漂う敵・味方の戦闘員の救出に忙殺されていました。ピクルのレイペノティア海尉艦長はコリングウッド提督の急送文書をプリマス港へ急報する命令を受け、すぐにイングランドへ向けて出航しましたが、行く手は荒天に阻まれて排水作業を余儀なくされ、その後天候は一転して無風状態となり、長櫂を漕ぎ続けることになりました。必死の思いでファルマス港に到着し、駅馬車を駆って目的の海軍本部に到着し、報告を果たすことができました。

”ピクル(Pickle)”は海軍省のオリジナル図面を使用してデザインされた正確なスケール模型です。
キットは「JoTiKa社」が製作・販売し、国内では通販ショップ「マイクロクラフト社」から入手できます。
 縮尺:1/64
 全長:565mm×全幅:180mm×全高:460mm
キットには製作マニュアルが2冊(船体・艤装編、パーツ編)と6枚組の図面が付属しています。
(50ページ以上の詳細な英文マニュアルを会員向けに日本語版として翻訳しました。)

マイ・シップ・クラブではこれまでに何回か、手頃なサイズで作りやすい廉価な模型キットを共同購入して製作活動を行ってきました。 会員同士が同じ帆船模型を作ることにより、製作テクニックの向上や帆船模型の知識・技術の共有化を図ってきましたが、 前回の「HMブリッグ バジャー」に続き、今回も同じキットメーカー JoTiKa社の「HMスクーナー ピクル」の製作を開始しました。 キット付属のマニュアルの説明文や写真、図だけではわかりにくいところを含めて「ピクル」の製作工程をサブ・ページで公開いたします。 どうぞ模型製作の詳細をお楽しみください。
”HMスクーナー ピクル”のキット・ボックス表紙 英文マニュアル1(船体・艤装編) 英文マニュアル2(パーツ編)
マニュアル準拠製作のページ
ストラクチャーモデルのページ


ピクル ストラクチャーモデルを作る 日本語版マニュアル1(船体・艤装編) 日本語版マニュアル2(パーツ編)

HMスクーナー ピクル(H.M.Schooner Pickle)の製作記録 

”ピクル”の製作過程の写真記録です。付属マニュアル掲載の写真・図版、または製作の説明文書だけでは分かりにくい箇所が多々ありますので、これらの詳細写真により製作工程が理解できる場合があります。参考・補足としてぜひお役立てください。

製作工程 1

バルクヘッド・フレーム、キールの組立てから外板下地貼りの完了まで・・・


p001:フレーム・キール等の切り抜き p002:船尾部分のキールの削り込みは、図面をコピーした型紙を作り、キールに写し取ります。
p003:船尾部分のキールを合板の一層目まで彫刻刀で、両面とも削り込みます。 p004:フレーム・キールの組立、船首側の型板は、釘止めします。
p005:フレームの小端部分は赤に塗っておきます。10mmのバルサ材で、全面的にフィラーを入れます。 p006:船体側より見たフィラーの充填状況。
p007:フィラーの荒削り。フレーム小端の赤塗りがまだ残っています。 p008:フレーム小端の赤塗りが無くなるまで磨き上げて、フィラーの削り込み完了。
p009:フィラーを充填した、フレーム。 p010:船尾部分
p011:ガンポート部分の航空べニアは非常に腰が強いので曲ゴテであらかじめ、船首部分に曲げぐせを付けておきます。 p012:ガンポート材は、接着剤と釘を併用して取り付けます。
p013:ガンポート取付、船首部分 p014:ガンポート取付、船尾部分
p015:外板下地貼りは、船底側のキール側より中央部を接着します。 p016:船首側・船尾側をクリップ等で両側から挟み込み、接着します。
p017:外板下地材は、ガンポート側、キール側より交互に貼り進めます。外板下地は最後の三日月型の隙間が大きくならないように、船首側・船尾側の板幅を調整しながら、貼っていきます。 p018:外板下地貼りの完了した船尾部。カウンターの下地航空べニアも曲げぐせを付けて、釘止めします。
p019:外板下地貼り完了。船底側 p020:外板下地貼り完了。船尾上部より


以下は「製作工程1」を補足する詳細写真の追加画像です。作業工程や製作テクニックなどの細部がよくわかります。

   


製作工程 2

船尾ファシア、カウンターの取付けから船体外板上貼り、甲板貼り、銅板貼りの完了まで・・・


p021:船尾ファシア取付。マニュアル Photo15の写真の様に船尾ファシアの寸法が足りないため、ウォールナット板のファシア隣接部を幅2mm程、継ぎ足して貼る。 p022:外板上貼りの前に、カウンター部分に上貼りを貼り付ける。
p023:外板上貼り。ブラックストレーク・ウェール上下は、アスナロ材に変更し、マジックインキ「黄」で予め着色した材にて、貼付。
変更:ウェール下、2段をイエローで仕上げる。
p024:外板上貼り、船尾側。外板上貼り時には、 Stem, False Keel, Stern postは取り付けていません。この時点で、外板上貼りのサンドペーパー仕上げを行います。
p025:外板上貼り、完了時。上部より。バルクヘッドのスタブ(突起部)の切り取り。ガンポート切込はこれから。 p026: Stem, False Keel, Stern postの取付。予め「ポスカ」にて着色。
製作手順変更
p027:外板上貼り部の、ガンポート切抜き。 p028:ファルス・デッキの甲板貼り。マニュアル Photo19。最終的にほとんど見えず、ほぼ無意味。
p029:ブラックストレーク・ウェールの取付。予め、黒に着色した、ブラックストレーク・ウェールをこの時点で貼り付けます。製作手順変更 p030:アッパーガンデッキの航空べニア貼付。マスト位置を合わせ、ボンドと釘止めを併用して、貼付。
p031:ブルワーク内側の仕上げ貼り。変更:アスナロ材を予め、マジック・インキ「赤」にて着色して、ブルワーク内側を貼ります。 p032:ガンポートの切込み。
p033:アップグレード ガンポートの小端に0.3mmのアスナロ材にて、仕上げ貼り。 p034:ブルワーク内側の完成。
p035:アップグレード 甲板貼り、マージンプランク部品。船首部は4mm材を4枚剥ぎ合わせ、切抜き。舷側は、5mm幅をアイロンにて水平曲げ。 p036:アップグレード マージンプランク材の取付。船首側
p037:アップグレード マージンプランク材の取付。船尾側 p038:甲板は、マージンプランクにジョグルを切り込みながら中心より貼付。甲板の目地は、タンガニーカ材の小端に黒の色鉛筆で予め着色。
p039:喫水ゲージにて、喫水線を引く。マニュアル通りに、船首側に治具をあて、キールが垂直になるよう基盤に支柱を建て固定します。 p040:変更:喫水線に平行に、銅板を一段貼り付けます。
p041:喫水線側、一段を貼った後は、船底部側から銅板を貼り進めます。接着剤は「アロンアルファ、高粘度、木工用」を使用。 p042:銅板貼り、完了。
p043:銅板貼り、船首部。 p044:銅版貼り、船尾部。
p045:キャッピング・レールの取付。 p046:船体側面。


以下は「製作工程2」を補足する詳細写真の追加画像です。作業工程や製作テクニックなどの細部がよくわかります。
そのなかでも特に銅板張り作業に注目してください。

   
   
   
   
   
   
   
   


製作工程 3

船体艤装部品(甲板昇降口、スカイライト、ウィンドラス、フォアビット、ハッチ、キャロネード砲など)の製作と取付け・・・


p047:甲板昇降口(左側)、右側はストラクチャー・モデル用の複製部品。
艤装用真鍮部品は予め「黒染め液」にて着色。
p048:甲板昇降口
扉取っ手はマニュアルでは部品No.135のアイレットを使用となっているが、
アイレット+リング(自作)に変更。マニュアルの写真もこの様に見られる。
p049:スカイライト(左側)、右側はストラクチャー・モデル用の複製部品。 p050:スカイライト
p051:ウインドラス(左側)、ストラクチャー・モデル用の複製部品。 p052:ウインドラスと歯止め支柱
p053:フォアビット、
赤の塗装はプラカラーのあずき色、艦底色、黄色を調合して塗装。
p054:各ハッチ
マニュアルでは、各ハッチの寸法指示があるが、その寸法は無視し、格子目で近い寸法に作成。ハッチ上面は、アール(R)加工を施す。
p055:メインハッチ
扉取っ手はマニュアルでは部品No.145のアイレットを使用となっているが、アイレット+リング(自作)に変更。
p056:キャロネード砲
マニュアルでは、無塗装となっているが、砲架は赤に塗装。
p057:キャロネード砲
砲の支柱部分の組み立ては、老眼鏡使用者にとってはかなりの難敵。
p058:ブリーチング・ロープの結び
万力にアイレットを挟み込み、0.5mmロープを通して、
90番白糸で巻き止め。水溶きボンドで固める。    
p059:キャロネード砲のリギング
ブリーチング・ロープは前記の方法で長さを48mm(アイレット中心間)
とし、アイレット2個を通しておく。ガンテークル・ロープもあらかじめ  
組んでおく。                                  
p060:キャロネード砲のリギング完了
船体にセッティング前にリギングは完了しておく。
p061:ウィンドラスのハンド・スパイク
マニュアルでは1.5×1.5mmで加工となっているが、
直径1mmの円材と、直径2mmの円材に1ミリの穴あけをした材で製作
p062:チャンネルの製作
マニュアル通り、補強用の釘を取り付けて、すべてを製作しておく
p063:排水ポンプ p064:舵(ラダー)の製作
マニュアル通り組み立て、ラダー・ピントルの銅板張り部分は黒塗装
ではなく、銅テープ(ステンドグラス用テープ)で仕上げ。
(電蝕防止のため、鉄製ではないと思われる)
p065:甲板上の各艤装品取付全体 p066:船体側面の艤装品取付全体
p067:船体船首側の加工、部材取付
バウスプリット・ホール、アンカーロープ穴、アイレット等を
加工取付                             
p068:船体船尾側の加工、部材取付
船尾側は銘板以外黒一色のため少し寂しい。              
レプリカ船の写真を参考に砲門枠、カウンター・レール、ラダー索止め
チェーンを追加                                 
p069:ラダーのピントル、ガジオンとも、銅テープ張り p070:チャンネル、バックステイは釘にて船体に取付
p071:船首側の甲板上の艤装品の取付
ウィンドラス、フォアビット、ハッチ、アイレット、クリート等の取付。
アイレットはリギング時までは接着しない。              
p072:船体中央部、甲板上の艤装品の取付
メインハッチ、スカイライト、排水ポンプ、昇降口、キャロネード砲等の取付
p073:船尾側、甲板上の艤装品の取付
ハッチ、ラダー・ティラー等の取付け
p074:キャロネード砲の取付、リギングの完了
予め製作しておいたキャロネード砲を船体に固定。リギング端末処理の
チーズを作成。チーズはハトメ穴あけで丸くカットした両面テープを甲板
上に貼り、ロープを根気よく貼付て水溶きボンドで固める。        
p075:艤装品類の詳細(船首側) p076:艤装品類の詳細(船尾側)        
p077:ウィンドラス等(船首側) p078:トップライト、昇降口の詳細(中央部)        
p079:船尾ラダーの詳細         


以下は「製作工程3」を補足する詳細写真の追加画像です。作業工程や製作テクニックなどの細部がよくわかります。




製作工程 4

マスト・ヤードの製作(テーパリング加工、塗装、滑車、ロープ類の取付と組立て)・・・


p080:マスト・ヤードの作成
旋盤を持っている者の特権として、旋盤にて作成。
ユニバーサル・チャック側は紙テープを巻いて円材を保護、サンドペーパーにて仕上げ。繋ぎ用真鍮棒のセンタリングも写真右側のドリルで穴あけ。
p048:各マスト・ヤードの成型完了
旋盤使用により上記の部材は半日強にて完了。
p082:マスト・ヤードの完成写真
メインマストのリング、帆を止めるリングを予め入れておく。
p083:マストの滑車類の取付。
p084:バウスプリットの滑車類の取付。
ジブ用の滑車も取付。
p085:ヤードの滑車類、およびトップセール。
(*セールはオプション製作です。)
p086:マスト・バウスプリットの取付。


製作工程 5

展示用船台の製作(キットには工作用船台しかありませんので、マニュアルにも書いてあるように好みの展示台を作ります。)・・・


p087:船台の部品類。
縁材は「シャム柿」の15ミリ材より切り出した。
p088:天板は、4ミリべニアに楓風の突板を貼付。
見切り縁は、2ミリ角の真鍮材。
p089:縁材の「シャム柿」の面取り用治具と加工場面。 p090:天板下地の組立、縁材の加工材。
p091:船台の組立完了。
塗装は「新うるし」塗り、研ぎ出し仕上げ。
p092:真鍮材、25ミリ径を旋盤で切り出した支柱を取り付け。
p093:完成した展示用船台。


製作工程 6

セールの製作(*セールはオプションです。取付けには予めピンレール、ビット、滑車、ビレイピン等の追加が必要となります。
セールは通常薄手の布地を使用しますが、ここでは「雁皮紙」という特殊な和紙を使って作成します。)・・・


p094:セールの展開図を「雁皮紙」にコピー。
雁皮紙は薄すぎて、コピー機に入らないため、コピー紙に、
5ミリ両面テープで裏打ちし、コピー。
p095:セールのつなぎ目、およびリーフポイント用の雁皮紙の細切り。
p096:クリアファイルに、雁皮紙の展開図を水で貼付け、
袋貼りの内側に水溶きの大和糊を塗り、前記の細切りテープを貼付。
p097:前記を袋綴じし、両面の線を合わせて貼付。
この時、折り目部分に、#26のフラワーワイヤーを挟み込んでおく。
p098:最後にその他の縁にも、#26のフラワーワイヤーを糊代に
巻き込む。
p099:完成したセール類。

<< ここまでは およそ マニュアル 41ページまでの工程です。>>

製作工程 7

船舶(搭載)ボートの製作
ランチ(×’19)とジョリーボート/カッター(×’14)は工作の合間に何時でも製作することができますが、その取付はリギングが完了した後になります。
ボート受け(架台)の製作はマニュアルでは半分のパターンサイズが指定されていますが、ここではフルサイズに変更しました。・・・
            


p100:ランチ・ジョリーボートのレジンの船体に、1.5mm幅のラインテープでキールソン・リブをマニュアル通りの位置に貼り付ける。            p101:ランチは船体内部を塗装した上で、底板の航空べニアに0.5mm×3mmのウォールナット材を”すのこ状”に貼り付けたものを取り付ける。
p102:リブの上から3mmの位置に腰掛板の受け材を取り付ける。 p103:腰掛板は、船尾シート及びベンチ以外は接着せずに、
ジョリーボート設置時に取り外す。                
p104:ランチ・ジョリーボートの組立完了及び装着部品一覧。      
ボートの受け材はマニュアル通りではなく自立するように、自作します。
p105:ランチ・ジョリーボートの組立7完了及び装着部品の取付。
p106:ランチにジョリーボートを重ね、自作したボート受け材を
ロープで固定。                            
p107:艦載ボートの製作完了。   
リギング完了後、甲板に取付予定。
p108:ボート船首左舷側から見る。 p109:ボート船尾左舷側から見る。
p110:ボート全体を斜め上から見る。 p111:ボート全体を真上から見る。

<< マニュアル 53~57ページの工程です。>>

製作工程 8

リギング

いよいよ製作の最終段階です。結構、シビアなロープワークが必要となりますが、ここが帆船模型製作の醍醐味とも言えるところです。 
トップマスト・シュラウドなどのスクーナー船特有のリギングもありますので、注意しながらマニュアルや図面をよく参照し、工程をきちんと
理解してから作業を進めます。
                                                                   


p112:ロアーマストにテークル・ペンダント、サービングを
したシュラウドを取付。             
p113:シュラウド下部、デッドアイをラニヤードでリギングする。
p114:ラットラインは写真のように、ラットライン割付けをコピーした
ものを止め付け、最初から黒糸で編んでいく。    
p115: ロアーマスト・シュラウドの完了。               
p116:トップマスト・シュラウド、ステイ、フォアガフのリギング。 p117:バウスプリットにフォア・ステイ、バウスプリット・ステイ、
ボブ・ステイをリギングします。           
p118:バウスプリットのキャップ廻り詳細。 p119:フォアマストのキャップ廻り詳細。
p120:メインマストのキャップ廻り詳細。 p121:フォアヤードの取付。フォアヤードは帆を付けるため、  
復元船の写真をフォアガフより上の位置に変更し、
取り付けた。                      
p122:トップスルの取付。 p123:メインガフおよびメインガフ・トップスルの取付。
p124:フォアジブ、アウタージブ、フライングジブの取付。 p125:メインガフ、フォアガフの取付。
p126:ジブセール取付のため、船首にピンレールを追加で取付。
そしてアンカーケーブルのリギング。         
p127:ビレイピン用のロープコイル作成治具。
ビレイピン用は90度曲げた状態で、薄めたボンドで固める。
p128:クリート用のロープコイル作成用治具。 p129:アンカーの組立て。           
オプションでアンカーブイを追加
p130:アンカー、アンカーブイのセッティング。 p131:艦載ボートの取付。

<< マニュアル 41~58ページの工程です。>>

製作工程 9

HMスクーナー ピクルの完成

おめでとうございます!! ピクルの完成です。ここまでとても長い作業工程で、お疲れ様でした。あなたも帆船のオーナーです。            


p132:完成写真(全景)
p133:完成写真(前方より) p134:完成写真(後方より)                

第18回作品展出品作品(一部)と細部画像

リギング工程前(製作中) 上部から見る
船首部分 船首部分(全景)
船首 甲板部分 船首 甲板部分(製作中)
船首部分(やや下側から見る) 艤装品取り付け前の甲板(製作中)
甲板部分(製作中) 船尾からの全景(製作中)
船尾からの全景 船尾と甲板艤装品
船尾からの全景(ラダーチェーンが見られる) 船尾からの全景
船尾のデテール 船尾のデテール
船舶(搭載)ボートとその結索 シュラウドとドライバー・ブーム
シュラウド、ラットライン、ラ二ヤードなど アンカー・ブイの取り付け
バウスプリットとジブブーム フォアトップマストヤードのリギング(前から)
フォアガフ回り フォアトップマストヤードのリギング(後ろから)
メインガフとメイントップ フォアとメインのマスト
メイントップ回り フォアステイ、ジブステイとマウス
フォアトップ回り スクーナーステイのサービングとマウス



工具のコーナー

マニュアルの2ページには推奨工具リストが18種類ほど記載されています。
模型製作にあたってはそれほど多くの種類の工具は必要ではありませんが、製作者自身の手になじむ、使い勝手のよい工具がベストです。
切り出しナイフは右刃、左刃の両方があるといろいろな場面でとても重宝します。サンドペーパーは100番から400番まで何種類か必要です。
工具はそれぞれお好みですが、帆船モデラーが使っている一般的な工具類をご紹介します。

クラフト・ナイフ類各種 アート・ナイフ(刃の交換可能) アート・ナイフ(刃の交換可能)
大型カッターナイフ 切り出し小刀(右利き用・左利き用) ヤスリ各種
ノコギリ類各種 刃の交換可能なノコギリ(刃4cm×16cm) ハイパーカットソー
刃の交換可能なミニ・ノコギリ バルサ材用カンナ ドリル先端工具類
ミニ・ルーター ピンバイス各種(何本か用意し、直径の
異なるドリル刃を装着しておくと便利)
ドリル刃各種
板に両面テープで空研ぎ用サンド
ペーパーを貼り付けて使用(真ん中)
左側(マジックサンダー)ペーパー交換が楽
右側(鏝型)自作 甲板磨きに便利
ラジオペンチ、ニッパー類
右上は直角に切れるニッパー
ハサミ類 細部カット用ハサミ ピンセット
コンパスとディバイダー 定規(金属・三角) 洗濯バサミ(大・中・小)
リギング用ツール リギング用ツールの先端部
塗料のコーナー

”ピクル”のマニュアルには船体の各部分や木製、金属製パーツへの塗装が詳細に指定されています。JoTiKa社指定の専用塗料が水性で色の仕上がり具合が確定していますのでお奨めですが、入手に手間がかかります。国産品のプラ・カラーが種類も豊富なので手軽でしょう。色の調合と仕上がりはいろいろと試して見る必要があるでしょう。

 
”ピクル”のマニュアルに記載されているJoTiKa社推奨の17・18・19世紀のイギリス海軍色専用塗料。
使用する塗料のカラーは次の通りです。:
 Dull Black
 Matt(Metal)Black
 Matt White
 Yellow Ochre
 Red Ochre
 Copper
 Wood(Walnut)Brown
 Admiralty Varnishes
 Walnut Wood Stein
真鍮材の下地塗装のメタル・プライマー(日本製)
JoTiKa社販売の商品もあります。
  JoTiKa社の専用塗料の塗装サンプル(白系・茶系木の2種)   


外板材などの塗装にはこの顔料系塗料の「ポスカ(POSCA)」がお奨めです。黒、赤、白など手軽に塗装でき、仕上がりも結構満足できます。



接着剤のコーナー

接着剤は模型製作の必需品ですがマニュアルには接着剤として”PVA木工接着剤”が指定されています。これは水性のポリ・ビニール・アセテート系接着剤ですので、国産の一般的な木工用ボンド接着剤(エチレン・酢酸ビニール系)とほぼ同品質です。使用はお好み次第です。
タイトボンドも水性の木工用接着剤ですが、硬化するとナイフで削ったり、サンドペーパーをかけることができます。使い方を工夫して見てください。
瞬間接着剤は銅版張りで使用が指示されており、また製作作業のなかでマニュアルの指示によりいろいろと使用するところが発生します。
国産品でも沢山の種類が発売されていますので、こちらの方が手軽に使用できるでしょう。

JoTiKa社指定のホワイトPVA木工用接着剤 木工接着剤接着剤 3種(PVA、タイトボンド、水性エチレン系木工用ボンド)
JoTiKa社指定の瞬間接着剤 2種(高粘度、中粘度タイプ) 瞬間接着剤 3種(右は国産の木工用高粘度タイプ))


「スクーナー ピクル」のレプリカ(復元船)のリンク情報

インターネットでは「スクーナー ピクル」のレプリカ(復元船)のホームページがたくさん公開されています。
これらの写真を見るととても模型製作の参考になります。その中の一部をご紹介しますので、ぜひアクセスして見てください。



ボート・ヨット販売会社 写真の数が多いので参考になる http://www.western-horizon.co.uk/archive_boat.php?boat_id=168
レプリカ船ピクルの紹介ホームページ http://intheboatshed.net/2014/09/01/malcolm-nicholson-buys-pickle/
YOU TUBE でレプリカ船ピクルの帆走映像が見られる  https://www.youtube.com/watch?v=LkoB6u5RnkE 
スクーナー ピクルと艦長の絵画が紹介されているサイト http://www.rmg.co.uk/whats-on/exhibitions/past/boats-that-built-britain/hm-schooner-pickle 
スクーナー ピクルの紹介のサイト  http://www.assessnet.co.uk/about-us/news-feed/hms-pickle-the-recreation-and-repatriation-project/ 
インターネット百科事典の”Schooner Pickle”の項目 https://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Pickle_(1800) 
   
 HMスクーナー ピクルのキット販売会社 JoTiKa社のサイト http://www.jotika-ltd.com/Pages/1024768/Pickle_Front.htm 

☆ HMスクーナー ピクル 「キット付属マニュアル準拠製作」 の頁を新設しました ☆

このページの”HMスクーナー ピクル”は材料の一部やセール、そして製作工程などオリジナルな点ををたくさん追加しています。
初めて帆船模型を製作される方には理解できない点があるかも知れませんので、別のページではできるだけキットのマニュアルに準拠した
製作工程の画像を掲載してあります。こちらの「マニュアル準拠製作」もぜひ参考にご覧ください。

   
キット付属マニュアル準拠による製作



☆ HMスクーナー ピクル 「ストラクチャーモデル」 を作る!! の頁を新設しました ☆

JoTiKa社の”HMスクーナー ピクル”のキットは一般的な「バルクヘッド・フレーム」の構造で製作しますが、
この”ピクル”の図面を下にして「ストラクチャーモデル」の図面を作図し、並行して製作しました。(模型は完成)
「ストラクチャーモデル」に関心のある方はこちらのページもぜひご覧ください。

   
ピクル ストラクチャーモデル を作る ストラクチャーモデルの図面



☆ 「Le Renard(レナード)」 帆船模型製作教室を開催しました ☆  - 2018年4月終了 - 

当クラブでは会長自宅の「帆船工房」を会員に開放し、9月から月2回開催の予定でアルテサニア・ラティナ社(スペイン)の”Le Renard”の模型製作教室を開始しています。”Le Renard”はフランス海軍の1812年進水、70トンのカッター艦で、8ポンドカロネード砲10門、4ポンド砲4門を搭載し、乗組員46人とされています。全長61.5cm、全高56cm、全幅23.8cmの小型の模型ですが、マニュアル通りの製作技法だけでなく、アップグレードなどにもチャレンジしていく内容で製作を進めていく予定です。この模型製作教室の実習の様子の一部をご紹介いたします。


キット付属のマニュアルの表紙


"Le Renard" 帆船模型教室の実習の様子 --- 参加会員は数名


製作勉強会の参考資料(会長作成)


甲板材のプランキング工法 3種類 組立用船台の治具図面
(注)キットには付属していません。どちらも当クラブのオリジナル図面です。


キットのマニュアルは7ヶ国語で記述されており、英文の箇所をすべて和訳