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HMスクーナー ピクル を作る!! -キット付属マニュアル準拠による製作-

☆ HMスクーナー ピクル を作る !! -キット付属マニュアル準拠による製作- ☆  


JoTiKa社の”HMスクーナー ピクル”のキットはイギリス海軍省のオリジナル図面を使用してデザインされた正確なスケール模型です。
すべての部品、マスト、そしてリギングを当時の資料と入手可能な最新の参考資料を使用して研究されたキットです。その中に入っている図面とインストラクション・マニュアルに準拠して製作しました。このページ・コーナーでは一部分を除いてできるだけキットのマニュアルに準拠しながらの製作過程をご紹介します。キットの資料だけでは分かりにくいところを豊富な写真画像を参照することにより製作工程の理解がより深まるものと思います。全長約65センチメートルとコンパクトなサイズにもかかわらず、パーツ類やリギングは大型模型に比肩する精度です。
なお、模型製作に関する海事用語はマニュアル(日本語翻訳版)での表記にしたがっています。

 
HMスクーナー ピクル 完成(側面) ピクルのキットボックスの表紙 HMスクーナー ピクル 完成(船尾)
英文マニュアル1(船体・艤装編) キットの開梱(真鍮エッチングシートはとても精密) 日本語版マニュアル1(船体・艤装編)


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HMスクーナー ピクル(H.M.Schooner Pickle)  模型製作工程 


Step1

キール、バルクヘッド・フレームの組立て~フィラー材の充填~サンディング

先ず、キール上にバーディングラインを図面から
写し取る。(裏側も同じ)
5ミリ厚のキールが3ミリ厚になるまで船尾に向って
斜線部分をゆっくりサンディングして、テーパーを
付けて行く。
サンディング(ヤスリがけ)したキール船尾
バルクヘッドの中心を見つけるために、左右から同じ
高さの線を引き、その中心にマーキングする。
付けたマーキングをキールの中心へ持ってくる。 キールの中心点に注意しながら、バルクヘッド5番から
キールとバルクヘッドが90度(直角)になるように接着
する。中央部から船首、船尾へと同じ要領で取り付けて
いく。
砲門パターン・フォーマー(部品13)はバルクヘッド
1、2、3番の位置に取り付ける。接着剤は使用しないで
釘止めする。
黒く塗りつぶした箇所が面取りする領域、フォーマー自体
は取り外さずに削っていくことが重要となる。
バウプランク材(部品番号11、12)は非常に固いので
削る部分をマークして、仮止めしたものを一旦取り外
して削っていく。
ステム(船首材)に近いバルクヘッドのベベルは丸棒に
両面テープでサンドペーパーを貼り付けて削って行く。
削ってはならない角部分は黒のポスカ等を塗っておく。
マニュアル6ページに記述されている通り、合板材のバル
クヘッドは非常に硬いので、サンドペーパーの100番、
120番などの荒めのものを使用する。
バルクヘッド9番と外側船尾延長材(部品31)の取り付け
マニュアルではバルクヘッド9番のスロットまでエッジを
削ることが指示されている。
マニュアルではバルサ材などのフィラーの取付けについ
ては記述はないが、各バルクヘッド間には充填材を詰め
た方が外板材が張りやすくなる。
取り付けたバルサ材のフィラーを粗削りする。
模型のバルクヘッドの形に合わせてサンドペーパーで
削っていく。
バルヘッドの材質は非常に堅く、反対にバルサ材は柔らかいので削り過ぎないよう注意する。 キールとバルクヘッドの境目も丁寧にきっちりと
サンディングする。
サンディングを終了した船尾側 サンディングを終了した船首側


Step2

砲門パターンの取付け~外板下張り


 マニュアルでは砲門パターンを20分間水に浸すとなって
いるが、ここでは全体を1時間浸した。
マニュアルにも記述されている通り合板のバルクヘッドは
非常に固いので、ドリルで0.5mmの穴を予め開けてから
真鍮釘で止めていく。
船尾側の7、8、9番のバルクヘッドは内側にカーブして
いるので、中央部も釘止めする。
バルクヘッドの黒い箇所は砲門パターンを取り付ける
時に接着剤を付ける部分。黒く塗ったバルクヘッドの
上側は後で切り欠くので接着しないこと。
この状態で丸一日乾燥させる。その後に釘を抜いても
そのままの形を保っている。一旦釘を抜いてから黒い
部分に接着剤を付けて、再度取り付ける。釘は同じ所
にすんなりと入る。
砲門パターンのすぐ下に最初の外板下張り材(ライムウッド材)を張って行く。(左右両舷とも)
写真では説明を分かりやすくするためにウォールナット材
を使っているが、実際にはキットのライムウッド材を使用す
る。ライムウッド材を10分程水に浸けてから先端を電気ゴテで曲げてから接着し、釘止めする。この一番目の外板にはテーパーを付けない。
船底側にも外板下張り材を張っていく。 外板下張りは左右両舷一組づつ、上と下を交互に
張っていく。
マニュアルをよく参照してスチーラーを入れる箇所を
確認しながら隙間を開けて外板を張る。この三角部分
は後で外板材を埋めていく。
外板下張りの完了。船首のステム材は仮止め。 船首部分(ステム材のない状態)
船首部分にステム材を仮止めして仕上がりをチェックする。


Step3

スターン・カウンターの取付け~船尾ファシア仮止め~外板上張り

スターンカウンター(部品92)は水に30分浸すが、とても
固く無理をすると割れる。裏側にカッターナイフで軽く切込
みを入れるとよい。船尾ファシアを仮組みして船尾延長材
(部品30)の先端を越えて2~2.5mm突き出す。
マニュアル 8ページ photo012をよく参照する。
スターンカウンターの下縁側は外板材の後端のちょうど
後ろに配置する。(マニュアル8ページ photo013参照)
カウンターの配置が上手くいったら接着剤と釘で固定す
る。その後ウォールナット材で横方向に板張りし、その
縁はトリミングする。
船尾ファシアの上端はブルワークの上端より上になるよう
に取付ける。これは後の段階でブルワークの上に2mm厚
のキャッピングレール(部品50)を取り付けるため。
マニュアル14ページphoto25,26参照。
外板上張りの準備-水に10分程浸す。 外板材の先端を熱した電気ゴテで曲げていく。 先端にテーパーを付ける外板材はテーパーを付けてから
コテで曲げて仮合わせし、曲げ具合を調整する。
最初の基準となる外板材(上張り用のウォールナット材)は
図面1に示されている通りに正確に配置する。
マニュアルに示されている位置に正確に取り付ける。
これから張っていく上張りと既に張ってある下張りとは
板材の流れが異なるので注意する。
下張りと同じ要領で左右両舷1組ずつ、上と下側を交互に
張っていく。船尾は三角部分の隙間を開ける。
スティーラーを埋めて、最後に出来た三日月状の隙間を
埋める。
外板上張りの完成。


Step4

バルクヘッド突起部の切り取り~ファルスデッキの板張り~アッパーガンデッキの取付け~ブルワーク・船尾ファシア内張り~砲門の開口
~甲板マージンプランク

バルクヘッドのスタブ(突起)を切って取り除く。 取り除いたあとは合板のアッパーガンデッキ(部品91)
を取り付けるために両端をきれいにトリミングする。
アッパーガンデッキ材は張りやすくするために中央を
切り離す。
切り離したアッパーガンデッキ。 アッパーガンデッキに甲板材を張る前にファルスデッキ
(部品32)に板張りする。コンパニオンウェイとメイン
ハッチの下側になるが、実際はファルスデッキは覗いて
も見えない。
アッパーガンデッキの接着。
マニュアルではガンデッキの板張りの後にブルワークの
内張りをするが、この模型ではブルワーク船内側を塗装
するため、先に内張り(板張り)をする。
(マニュアル12ページ)
ブルワークを内張りした後、キャッピングレール(部品50)
を取り付けられるように両舷同じ高さにサンディングする。
マニュアルでは船尾ファシアの船内側は横方向に板張り
するとなっているが、この模型では縦方向。(マニュアル
13ページ 但し、マニュアル14ページのphoto25は
1×4mmのウォールナット材が縦方向になっている。)
板張りした後、船尾ファシア上部はトリミングする。 ブルワーク内張りの完成。 砲門を開ける。内側は余裕を残して切っていく。
指示の寸法まで慎重にサンディングする。 マニュアルではキールとバルクヘッドを組み立てた段階で
キールの真ん中に2つの3mmの穴を空けるように説明し
ているが(4ページ)、この時点で作業しても問題ない。
(銅板張りの前の段階)
穴の深さは20mmとなっているが、30mm以上は欲しい。
この時点で展示用装飾台の支持材(支柱)と真鍮棒を
差し込む穴を空ける。
この模型ではこの段階でウェールを取り付けている。
すぐ上のブラックストレークは黒く塗装したものを取り
付ける。(マニュアル9ページ)
この模型ではJoTika社推薦の専用のアドミラルティ塗料
(17-19世紀英国海軍色)を使用。水性で筆塗りでも
大変塗りやすい。
アッパーガンデッキの甲板板張りの前にブルワークを
塗装(レッドオークル色)
次の段階はデッキの板張りだが、この模型ではレベル
アップしてジョグリング(二ビング)をする。4mm幅の甲板
材を3枚接着剤で突き合わせて幅広いマージンプランク
材を製作する。
左右両舷の部材を作る。
船尾からの部材との突合せはS字形に継ぐ。
(赤丸部分 台継ぎに似せる)
船首中央からニビングで張っていく。 5本目の甲板材からはマージンプランクを切り欠いて
嵌め込んでいく。その後は最後まで繰り返し。


Step5

ウォーターラインのマーキング~船体上部塗装~銅板張り

銅板をはる前作業としてウォーターラインを描く。図面2を
参照し、ウォーターライン治具(部品14)を使用する。
ウォーターラインから上はブラックストレークまで黒く塗装
する。(ダル・ブラック色)
銅版はキール側面から始めて、2段目以降は煉瓦積み
のように中心をずらしながら1枚ずつ張り進める。
船首の一番前の銅板は小さくならないようにその前の
銅版をカットして調節する。(2枚目の赤矢印のもの)
スティーラーは銅板をその形状に合わせてカットし、挿入
する。
右舷船尾スティーラー部分。 船尾部分のウォーターラインの部分は保護のため
マスキング・テープをあらかじめ貼る。
船首のウォーターライン付近。 船尾のウォーターライン付近。 船体左舷側のウォーターライン付近。
ウォーターライン直近の銅板は一枚ごとに何度も
トリミングしながら張っていくので、時間がかかる。
ウォーターラインの線に沿ってきれいに張られた銅板。 船体舷側部分も銅版は一直線となっている。
船首の銅板も同じ要領で現物合わせでトリミング。 銅版張りの最期の1枚。 銅版張りの完成(船首)
銅版張りの完成(船底から見る)。


Step6

キャッピングレール~ブルワーク装着部品~

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JoTiKa社の”HMスクーナー ピクル”のキットは一般的な「バルクヘッド・フレーム」の構造で製作しますが、
この”ピクル”の図面を下にして「ストラクチャーモデル」の図面を作図し、並行して製作しました。(模型は完成)
「ストラクチャーモデル」に関心のある方はこちらのページもぜひご覧ください。

   
ピクル ストラクチャーモデル を作る ストラクチャーモデルの図面

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スクーナー船の模型キット(参 考)

海外で発売されている「スクーナー模型」

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