マイ・シップ・クラブ

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特別展示室


ヴェネツィア  -  ゴンドラとヴェネツィア海洋歴史博物館 

水の都ヴェネツィアには海岸沿いに「ヴェネツィア海洋博物館」があり、そのなかでも観光や日常の交通で活躍している「ゴンドラ」の模型がとてもユニークです。

ヴェネツィア海洋歴史博物館の入口 ヴェネツィア地図(海洋歴史博物館はサン・マルコ運河沿いの右側端)
アドリア海といえばやはり「ガレー船」、十字の旗ははマルタ騎士団か? ゴンドラ造船所のジオラマ
もう一つのゴンドラ造船所のジオラマ その詳細拡大写真(奥の物干し台の洗濯物に生活感があって楽しい)
いろいろなタイプのゴンドラ模型
ゴンドラの製造工程の模型
①キールと船首尾材の据え付け ②フレームと外板材の取付け(左右舷が非対象なのがよく分かる) ③船体の船首尾のラインは捩じれたまま、フレーム・外板が組立てられる
④左舷と右舷の形状が違う ⑤完成すると左右非対象がはっきりする ゴンドラの船着き場

  ゴンドラが左右非対象の理由は??

水上都市ヴェネツィアにとってゴンドラは市民や観光客のとって不可欠の乗り物ですが、船頭(ゴンドリエ)は進行方向左船尾に立ってオールを右に出します。このままでは船は右に曲がってしまいますので、それを矯正してまっすぐ進むように、左半分を少し大きくして重心を左にずらしてあるのだそうです!写真のように右舷より左舷の方が広くなっていて、全体に捻れているような感じがします。このように作ってあるためオールで片側一方を漕ぐだけで真っ直ぐ進むことが出来るのだそうです。船首には鉄製の飾りが付いているのが分かるでしょうか。これは、船尾の漕ぎ手とバランスを取るオモリの役も果たしているとのことです。船首と船尾が大きく反り上がった特徴的な形はとても美しいものです。



ゴンドラの模型作品と関連資料

会員製作のゴンドラ模型作品
   
右舷側  正面から 
   
 上面から  屋根を取り外すと、...
   
キットの組立説明書(部分) ・・・ キットは左右舷が完全に同形ですので、左舷側を少し広くして製作し、捻っています。

ゴンドラの模型キット

イタリアのアマティ社からキットが販売されていましたが、アマティ社自体はすでに販売終了しています。アメリカの通販会社でも販売していましたが、ここも中止しているようです。

通販会社:ヒストリック・シップス URL=http://www.historicships.com/



ヴェネツィア・ゴンドラの関連資料
タイトル ヴェネツィアの歴史―共和国の残照 (刀水歴史全書) タイトル ヴェネツィア 水上の迷宮都市 (講談社現代新書)
著者名 永井三明 著 著者名 陣内秀信
出版社 刀水書房 出版社 講談社
コメント 刀水歴史全書 60 アドリア海に浮かぶ小さな都市国家ヴェネツィアは外交手腕により政治、経済の発展を遂げた。その草創期から滅亡までの歴史を探る。ガレー船、ラウンドシップや国営造船所(アルセナーレ)にも記述している。 コメント 建築学専攻の著者が実際にヴェネツィアに住み、この水路と細い路地の迷宮都市について歴史、市場、広場、劇場、祝祭などその生活を踏まえてのガイドブック。
タイトル 海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年 タイトル 海の都の物語<1>~<6>―ヴェネツィア共和国の一千年
(新潮文庫)
著者名 塩野七生 著 著者名 塩野七生 著
出版社 中央公論社 出版社 新潮社
コメント 単行本 イタリアについてはこの著者の書物を避けて通ることはできない。僅かな領土しか持たず、1100年もの間繁栄を続けたヴェネツィア共和国。ナポレオンの侵攻により共和国に命運は尽きつつあったが、...。 コメント 文庫版6冊 自給自足がないヴェネツィア共和国は優れた外交、貿易、軍事力によりその自由と独立を長い間守り続けてきたが、ライバルであるジェノヴァや異教徒との戦いに明け暮れていくのだが、...。 
タイトル Venezia nascita di una citta タイトル 地中海の覇者ガレー船
著者名 Piero Ventura 著者名 アンドレ・ジスベール/ルネ・ビュルレ著 深沢克己 監修
出版社 Fabbri Editori 出版社 創元社
コメント ベネチアの誕生からその都市国家としての独自性、繁栄・衰退の歴史を紐解く絵本。 コメント 「知の再発見」双書88 450隻のガレー船と12万の兵が激しい接近戦をくりひろげたレパントの海戦で、軍船としてのガレー船の栄光は頂点に達した。
タイトル Barche Veneziane タイトル Forcole, Remi e Voga alla Veneta
著者名 Gilberto Penzo 著者名 Gilberto Penzo
出版社 Libreria Editrice 出版社 Libreria Editrice
コメント ゴンドラとアドリア海沿岸の船の図面集。ゴンドラは観光用の小さなものから運河の渡しで使う大型までその種類がとても多いのに驚かされる。 コメント ゴンドラのオールの受け台(forcole)についての使用方法、製作、デザインについて書かれた本。ゴンドリエ(船頭)がとても大事にしているもの。


ヴェネツィア海洋歴史博物館の展示品 

サン・マルコ広場から海沿いにサン・ジョルジュ・マッジョーレ島を眺めながら歩いていくとほどなく「ヴェネツィア海洋歴史博物館」に着きます。建物は5階建てで、玄関前には大きなアンカーが置いてあります。イギリスの博物館のように大きくはありませんが、展示内容は充実しており、ヴェネツィア独自の黄金で装飾された「ブチントーロ」や大型ガレー船などに圧倒されます。もちろんゴンドラの実物も展示されています。模型ファンになじみの船もたくさん展示されています。東洋の船の部屋もあり、ちょっとした時間でとても楽しめる海洋博物館です。その中から面白そうなものを選んで見ました。どうぞお楽しみください。

ヴェネツィアの守護聖人 ライオン像(本を開く獅子ではなく、剣をもっているが ?) ヴェネツィア首長の儀式に使用する黄金で飾られた「ブチントーロ(BUCINTORO)」 ブチントーロの船尾装飾 ブチントーロの船首装飾
ブチントーロの船首装飾 ブチントーロの船尾装飾 カヌー・インペリアル(船首部) カヌー・インペリアル(船尾部)
ガレー船 ガレー船 ケベック船 ガレー船の大型模型
ガレー船を漕ぐお人形さんたち ガレー船(上・下段) アンカーと船体図 ガレー船の壁掛船体模型
ラ・クローン(1638年 フランス) アラビアのサンブック キャラック船 ヴェネツィアのガレオン船
ヴェネツィアのコッカ船 オランダの捕鯨船 HMSヴィクトリー(イギリス) 二層甲板艦の縦断面の模型
メインマストの傾斜がとてもきつい船 大型のストラクチャー模型 セールを張った大型模型 傾船作業台船
一本マスト船(カッター船) 中国・揚子江上流の川船(歪屁曲) 典型的な中国のジャンク船 高瀬舟(日本)
朝鮮の亀甲船 朝鮮の亀甲船の細部 朝鮮の亀甲船の船尾 洋式船体のジャンク船